「福祉住環境コーディネーター」は、ここ最近になって登場した新しいニーズに対応した仕事となっています。
同名の資格試験が1999年5月より東京商工会議所で開始されており、民間資格ながら福祉の現場ではかなり重宝されるものとなっています。
福祉住環境コーディネーターの主な仕事は、高齢者や障害者など通常の生活を送るときに困難を感じる部分がある人に対し、より使いやすい住宅を提供するための提案をするということです。
現在バリアフリーやユニバーサルデザインによる住宅・施設の建築が一般化してきていますが、実際にはまだまだ使いにくい住宅設備は数多く存在しています。
福祉住環境コーディネーターは、個人の住宅におけるリフォームだけでなく、公共施設においてもそうした問題点はないかということを調査・改善していくことが仕事となります。
福祉住環境コーディネーターの資格には1~3級までの三段階があり、それぞれのランクに従って試験の難易度が異なってきます。
最も難易度が低いのは3級試験で、基本的な福祉と住環境の関係について学んでいきます。
住宅メーカーや介護施設職員など、他の介護や福祉の仕事についている人も、この福祉住環境コーディネーターの資格を取得することでまた新しいサービスのヒントにすることができます。
より専門的に住宅と福祉についての仕事をしていくなら、より高い級数となる2級や1級の受験がすすめられます。
福祉住環境コーディネーターでは、住宅内に存在する小さな段差や階段、トイレやバスルームといった設備についてどのように改善をするのが適当であるかを提案しているだけでなく、使用する家具や室内設備についても一体的に考えていきます。
そのため、上級資格を取得するためには介護や福祉についての基本的な内容のほか、住宅建築やインテリアデザインについてといった広い分野での知識が求められることになります。
福祉住環境コーディネーターは、それ単体で取得するよりも他の資格と合わせて取ることでより大きな効果を発揮する資格となっています。
先に挙げました住宅メーカーや介護福祉施設の職員もそうですが、他にも建築士やインテリアデザイナーなど建築や不動産に関わる専門職の人にとっても、また別の観点から仕事をしていくためのスキルになります。