保育士とは、数年前までは「保母さん」という名称で親しまれてきた職業資格であり、主に保育園や託児所など大勢の子供を預かる施設で勤務をするときに必要になります。
日本の法律では、職業として他人の子供を預かり報酬を得る場合には、一定人数ごとに特定の資格を持つ人材をおくことが義務付けられています。
託児保育の現場においては、保育士の資格を持つ人が最も多くの子供達を一度に預かることができるものとして定められています。
よく間違われるものとして「幼稚園教諭」というものがあります。
「保育士」と「幼稚園教諭」の最も大きな違いは最終的な管轄機関です。
保育士の勤務先となる保育園を管轄するのは「厚生労働省」、一方で幼稚園を管轄しているのは「文部科学省」となります。
そのため一見似通った業務を行っているようにも見える保育士と幼稚園教諭ですが、資格試験は異なる制度下の元で行われます。
数年前よりこの2つの機関を完全に分離することで生じるデメリットを解消するため、「幼保一元化」という政策が提案されていますが、実現には至っていません。
少子化が問題視されている昨今ですが、実際には子供を預けるための施設は十分に用意されているとは言いがたい状況となっています。
新聞やテレビなどで「待機児童」という言葉をよく聞きますが、これは子供を預けたいと思ってもその受け皿となる施設が見つからず、仕方なく自宅で子育てをしているという人のことを差しています。
この待機児童を少しでも解消していくために、現在人口の多い都市部ではたくさんの保育園が新設・スタッフ増員をされています。
ですので、これから保育士を目指している方はかなり有利な売り手市場の下で求人を探すことが出来ます。
待機児童の問題は、全国津々浦々が同じ深刻度で進んでいるわけではありません。
東京や神奈川といった人口密集地域では待機児童者数が相当数に及んでいるのに対し、過疎化が進む地方の保育園ではむしろ余裕のある状態となっています。
実際には待機児童者数が0人と公表している都道府県も宮崎県や青森県など9都道府県あり、それらの地域では保育士の需要は決して高いものではありません。
東京からの求人数が圧倒的に多くなっているので、これから資格を取得し就職先を探すなら、事前にそうした求人需要もしっかりチェックしておくことをおすすめします。