国家資格などの公的な資格は無いので特に厳格な制限なく音楽療法士として仕事をすることは可能です。
しかし、現実にはこの仕事は専門性が求められる仕事であり、音楽療法に関し、専門的に学習しスキルを習得する必要があります。
民間資格としては複数あり、中でも「日本音楽療法学会」が権威ある団体だと言われ、信頼が厚いです。
民間とは言えこうした資格を取得することにより、一定レベルの、専門性の証とすることができて、就職に当たっては圧倒的に有利と言えます。
資格取得の受験者の条件が定められており、2つのルートから適したものを選択することが出来ます。
1.学会の認定スクールへ入学し、音楽セラピーに関するスキルを体系的に習得する。
2.学会が行う試験を受けるための研修制度(研修受講中の実技・理論の試験も含む)を受講する。
ただし、2のルートの場合、2年以上の課程を持つ専門学校や短大、4年制の何れかを修了していることなどの条件があります。
その後に、例年1度実施される資格認定の筆記試験に合格すると晴れて音楽療法士の資格取得が可能なのです。
専門学校の中には、音楽セラピーを専門とする課程を有するスクールもありますこのようなスクールに通えば、音楽療法関連のハイレベルなスキルを習得し実地の経験も出来ます。
各スクールがオリジナルに認定する音楽セラピストの資格もありますので、音楽セラピストを目指す方は検討に値するでしょう。
しかし、日本においては音楽セラピストはまだまだ一般的に認知されておらず、ニーズが少なく絶対的な求人数が少ないため、就職活動が厳しいのが現実です。
元々音楽セラピストの仕事は人の心に向かい合う仕事であることから、就職に当たっては、最初に、心理カウンセラーその他医療・福祉系の資格で就職したのち、プラスアルファとして音楽セラピストを目指す道が案外近道かもしれません。
いくら音楽理論・実技が優秀であっても、それを療法として活用できなければ何の意味もないのです。
また、国際音楽療法専門学院等、一部のスクールでは、オンライン配信を利用した通信講座と通学を組み合わせて学習することで、スクールオリジナルの資格を取得できるスクールもありますので、ライフスタイルに合わせて検討してはいかがでしょう。
音楽セラピスト活躍のステージは、病院、介護福祉施設、特別支援学校等幅広いです。
このような職場においては、音楽セラピストの資格を有することは有利だとは言え、音楽セラピストとして常勤スタイルでの求人は少数にとどまるのが実情です。
ただ、常勤職員としてのニーズは少ないものの音楽療法の効果は認知が広がりつつあり、非常勤あるいは契約社員という形で働きながらチャンスを待つことも一つの手段であると思われます。