この仕事は、医師や税理士のように国家資格の取得を条件に出来る職業ではなく、資格を持たなくてもカウンセラーとして働く事は可能です。
現在、日本国内でのカウンセリングの職務は様々なフィールドであいまいなままで、良く聞く臨床心理士でも国家資格でないのが現状です。
ですので、何らかの資格を持たなくてはカウンセリング業務が行えないという制約が無いのです。
産業カウンセラーの場合は、日本産業カウンセラー協会が資格を認定する制度をつくってはいますが、この制度でも無資格者がカウンセリング業務を行えば法律に反すると言ったことはありません。
長年社会人として生きてきたキャリアを活かし、転職の際のアドバイス業務をしたり、社会人の悩み応えることが出来る相談所を開設したいという希望があれば、独立開業して産業カウンセラーの業務を行うことは出来るのです。
資格が全く無意味かと言えばそんなことは無く、やはり一般の方や企業から信頼を勝ち得るには資格は重要な武器となります。
資格は一定の知識やスキルを持っていることの証としてアピールしやすく、またカウンセラー協会との繋がりを保つことにより、同じ仕事をする仲間とのネットワークが出来るので、業務関連の情報交換が可能となり有意義なのです。
この職に就くにはまずは取得しておきたい資格と言ってよいでしょう。
日本産業カウンセラー協会が実施する認定試験を受験するためには「大学や大学院で心理学系統の課程を学習し必要な単位を取得」あるいは「協会が実施するカウンセリングスキルを修得する講座の修了」が条件と定められています。
試験は例年11~12月が出願期間とされ、翌年1月下旬に学科試験と実技試験が実施されて3月頃に試験の合否が判明します。
講座は2つに大分すると通学制と通信制が設けられており、それぞれ受講期間や受講料に差があります。
通学制のケースは、4月開講で7か月間受講し、費用は20万円余りです。
通信制のケースは、11月開講で12か月間受講し、費用は20万程度です。
どちらの講座も内容はカウンセリング理論やカウンセラーの担う役割を習得し、相談の実際に即した演習指導もあります。
通学制のケースも通信制のケースも例年1月に実施される資格試験にタイミングを合わせて修了しますので、どちらを選択するかは居住地域などライフスタイルに合わせて無理なく選択しましょう。
大学あるいは大学院で心理学系統の課程を学習し所要の単位を取得した方は、産業カウンセラー試験の受験資格を持っていますので、資格試験の合格のみに集中する事が出来るでしょう。