現在、総務省が中心となって進められている事業の一つに「ICTシステム」というものがあります。
「ICTシステム」とは「Information and Communication Technology」の略称であり、直訳をすると「情報通信技術」です。
情報通信技術というと既にパソコンを使用したインターネットやモバイル通信などすっかり日常のインフラとして定着した感がありますが、「ICTシステム」というのは通信ネットワークを通じて行う特定の技術のことを指して利用されることに特徴があります。
もともとICTという言葉や考え方は海外で使用されてきました。
総務省が正式に言葉を採用したことにより、日本においてもそのシステムや技術・サービスが広く導入されるようになったのです。
日本版ICTは、主に社会・教育・産業といった場面で用いられることが多く、通信・交流・伝達が必要な事業にネットワークを用いるという形で使用されています。
その中の一つとして「キッズリー」というリクルートが運営する保育園向けのコミュニケーションサービスがあります。
キッズリーは既に多くの保育園で導入が進められており、KIDS DESIGN AWARD2016や、GOOD DESIGN AWARD2016特別賞「未来づくり」を受賞しているという実績もあります。
サービスの主旨としては保育に関わる業務の伝達をネットワークを通じて行うことにより、保育園と保護者のコミュニケーションを深めることです。
保育園を利用する保護者にとっては、自分が見ていないときに子供がどういった動きをしたり、どんなふうに人間関係に入っているかが気になるものでしょう。
そこにICTを導入することで、これまでにはないような綿密な連絡体制が取れるようになります。
キッズリーの利用はまず保育園と保護者双方で無料のスマホアプリをDLし、インストールをします。
導入をしている保育園の数は既に1000を超えており、ログインをすることで園児の登園や遅刻、欠席などの状況把握が可能です。
初期費用だけでなく月額利用料も0円から始めることができるので、保護者や保育園に負担をかけることがありません。
キッズリーのメリットは保育園側と保護者側の両方にあります。
まず保育園側としては、専用のタブレットを通じて園児の出席状況を把握することができ、そこから行政機関に提出が必要な書類を作成したり、保護者に必要な請求書を作成したりすることが可能です。
一方、保護者側のメリットとしては、連絡帳機能にフォト機能をつけることができたり、個別連絡として直接保育士さんに連絡をすることができたりということがあるでしょう。
実際に導入をした保育園や保育士さんの話を見てみると、それまで行ってきた煩雑な事務作業が軽減されるとともに、保護者との連絡がとりやすくなったという意見が聞かれています。