• 福祉に関するお仕事の情報サイト
No Image

児童養護施設の活動内容

現在の児童福祉法では、公的な児童福祉施設として12種類が設置をされています。
児童養護施設もその中の一つとして、法律が成立した時から子供の監護や養育のために重要な役割を果たしてきました。

まず児童養護施設という場所がどういった目的で設置をされているかを説明すると、これは保護者がいない児童、または虐待や環境上養護をすることが必要とされる児童に対して、その養育のための場所を提供するためです。
ただし乳幼児については児童養護施設ではなく乳児院で扱われることとなっており、入所をした子供は18歳まで(事情によっては20歳まで)その施設内で生活をしていくことができます。

児童養護施設については児童福祉法の第41条に定められています。
児童養護施設の地域における役割としては、子供を養育するとともに保護者を支援していくという地域単位で子育てをすることです。

過去に入所をしていた子供に対しては、退所をしてからも生活をしていくための相談や支援をしていくサポートも行っています。
事情により適切な監護環境で生活をしていくことができない子供が、自立した生活をすることができるよう、バックアップしていくことが活動目的です。

施設の目的

児童養護施設に実際に入所している子供の数は、平成25年の厚生労働省の調査では29,979人となっています。
どういった事情で入所をすることになったかということを詳しく見ていくと、最も多いのが「母親の放任・怠惰」で3,878人(12.9%)、次いで母親の精神疾患3,519人(11.7%)、母親の虐待・酷使3,228人(10.8%)、父親の虐待・酷使2,183人(7.3%)となっています。

これは母親が子供の監護を当然にするものという意識があるために、父親と母親で責任を分けて統計をとっていますが、夫婦全体として見ると保護者による虐待や酷使が最も多くなります。

特に2000年代に入ってからは、それまで子供の虐待は家庭の問題として行政が介入するケースはごくわずかでしたが、近年は陰惨な子供の死亡事例が伝えられるようになったことにより、積極的に受け入れをするように方針が転換しています。
他にも保護者が疾病により経済的に立ち行かなくなった場合など、まずは子供の生命を守ることを優先し児童養護施設で受け入れるようになっています。

児童養護施設における今後の課題

児童養護施設で最も大きな問題となるのが、施設での生活環境が十分ではないことから、退所をしても十分に収入を得られる学力が身につけられないということです。
また、家庭生活とは異なる集団生活をすることにより、家庭的なコミュニケーション能力が備わらないということも問題視されてきました。

社会に出てから金銭面や人間関係のトラブルに巻き込まれてしまったときに、頼る家族がいないということも問題となっています。