児童家庭支援センターとは、子供と家庭に関する様々な相談に対応をする公的施設です。
相談された内容に従い、児童相談所や児童福祉施設など地域の他の施設とも連携して最善の支援ができるようにしていく調整役となるという社会的任務があります。
法律上では児童福祉法第44条の2に定められており、施設を運営する主体として都道府県や政令指定都市、または児童相談所施設市とされています。
地域により社会福祉法人に委託をして運営されていることもありますが、ほとんどが都道府県の管轄により施設が設置されているでしょう。
なお施設には常勤・非常勤として心理職を配置することとなっており、予算の根拠として児童虐待やDV被害者の支援として位置づけられています。
全国にある児童家庭支援センターの数は2013年10月時点で98ヶ所ですが、これを2019年度末~2020年までに340ヶ所に増やすことが目標となっています。
児童家庭支援センターに寄せられる相談の内容としては、最も多いのが「養護」に関することで全体の約30%、次いで「性格行動」が13%、「保健」12%、「しつけ」11%、「虐待」9%といった内訳です。
その他にも障害や非行、不登校、DVやなど子供と家庭に関する問題について全般的に扱われています。
家庭や子育てについての悩みというのはなかなか他の人に話しづらく、どこにどのように支援をお願いすればよいか分からないケースがあるものです。
そこで児童家庭支援センターでは、些細な問題であっても地域で悩む人たちに対してその受け皿となることが目的とされています。
歴史的には1997年に児童福祉法が改正されたことにより、初めて社会的養護を担うための相談機関として児童家庭支援センターが設置されることになりました。
制度がスタートした時には全国にわずか6ヶ所のみだったのですが、その後家庭相談のニーズが高まることにより現在まで順調に施設数が増えてきています。
さらに2004年からは児童虐待についての認識が社会的に大きく変化したことを受け、児童福祉法の大幅改正があり、そこから児童家庭支援センターでの対応指針も変更となりました。
児童家庭支援センターでは、その内部で直接監護や支援活動をするというわけではなく、地域の福祉施設へ連携をとる「ブランチ」役として機能をしています。
そのため業務を円滑に行っていくためには管轄内だけでなく、全国の施設とネットワークを作っていくことが重要です。
また、年々児童を取り巻く状況は変化をし、家族の形も複雑になってきていることからより専門性の高い人材を配置するということが課題とされています。
2009年に改正された要綱にも児童家庭支援センターにおけるシステムの脆弱性が指摘されており、今後は人材確保と地域ネットワークの強化が取り組むべき問題です。