以前は児童養護施設の現状についてお話ししましたが、ここで気になってくるのが「では、児童養護施設を出た子供たちはどうなるのか」というお話です。
問題になったドラマ「明日ママがいない」でもありましたが、児童養護施設では18歳になったら施設を出て自活をしていかなければなりません。
この現実が、児童養護施設を出た子供たちに重くのしかかっています。
児童養護施設を出たとしても、頼ることができる親や親戚がいない場合、子供たちは一人で生活をしていかなければなりません。
18歳で自活するというのは、並大抵のことではありません。
「18歳になり、児童養護施設から出たらなんの支援もなくなってしまう」という現実は、施設の子供たちにとって大変に重く、また考えていかなければならない問題です。
なんの支援もないとなると、たとえば寮がある会社で働くなどの選択肢をとらざるをえなくなりますし、大学や専門学校へ通うなどの道もえらびにくいという現実。
それを、18歳の子供に背負わせるということは本当につらいことなのではないでしょうか。
児童養護施設を出た子供たちには、頼るべきものが何もありません。
必然的に、子供たちは自分で厳しい自己管理をしなければなりません。
この年齢だと、まだまだ親元で生活をして守られている子供が多い年齢です。
その中で、児童養護施設の子供たちは「全部自分でやらなければならない」。この辛さがどんなものなのかを、想像してみてほしいと思います。
「なにかあったら頼ることができる大人がいない」という、不安定な環境はとても辛いものです。
社会経験もほとんどないようなこの子供たちが、このような環境に置かれて生活をしていくというのはどういうことなのでしょうか。
中には、こういった現実に耐えることができず、仕事をやめてホームレスになってしまうような若者もおり、「児童養護施設を出た子供たちへの対応」が急務となっています。
子供たちは好きでこのような環境になったわけではないのに、児童養護施設を出たらなにもないというのはあまりにも辛い現実です。
児童養護施設に使われる税金は本当に少ない額と言われていますが、今後はしっかりと子供たちの行く末を見守ることができるようにしてもらいたいですね。
このままでは、あまりにも子供たちが気の毒です。