学校内で起こる怪我や病気に対して、最初にその対応を行うのが「養護教諭」です。
養護教諭は普段は「保健室の先生」と呼ばれることもあり、教務室ではなく主に保健室にいて生徒や先生、学校職員さんの健康管理にあたります。
養護教諭は直接的にクラスを担任したり、進路指導を担当するということはありません。
そのため一般の教諭職と区別して考えられがちですが、実際にはきちんと同じ教員採用試験を通らなければ勤務をすることはできません。
養護教諭として勤務をするためには、専門の免許を取得しなくてはいけませんが、実際の現場で勤務をしている人をみると、養護教諭免許1つだけで勤務をする例はあまりなく他に看護師やカウンセラーといった免許を別に取得している人が多数となっています。
養護教諭として勤務するためには何をおいてもまず養護教諭免許を取得しなくてはいけません。
そのためには大学や短大など所定の教育機関で養護教諭課程を修了し、教育実習などを経てから試験を受験することになります。
養護教諭は通常の教員免許とかなり種類が異なるものなので、他の小中学校、高等学校の教員免許と同時に取得するのは難しく、専門でとることを選ぶ人が多数です。
なお教員免許には、大学院修了によって得られる「専修免許状」と、大学を卒業することで得られる「一種免許状」、短大卒業で得られる「二種免許状」の三種類があります。
ただし養護教諭はその仕事の特性により、看護学校を出て看護師や保健師の免許を受けてから養護教諭養成機関での課程を修了することで「一種免許状」を受けることができるという少し変わったルートをとることも可能になっています。
養護教諭免許取得にはかなりたくさんのルートがあるので、一度全く異なる仕事についた人があらためて取得を目指すこともできやすくなっています。
養護教諭の仕事が他の教諭の仕事と比較するとかなり特殊なものであることはおそらく簡単にイメージすることはできるかと思います。
そのこともあり、養護教諭という仕事に求められる業務の範囲は時代のニーズに応じてかなり大きな変革をされたりします。
従来までの養護教諭は、文字通り「保健室の先生」として学校内で医療行為を担当するという意味合いが強くなっていました。
ですが、最近ではちょっとした怪我や病気でも大きな問題になる前に救急車や専門の医療機関への要請で対応することが多く、怪我の手当などをメインに仕事にするということはなくなってきています。
反対に今ニーズが急増しているのが、生徒や職員の心の問題に対応するスクールカウンセラーとしての役割や、子供たちの栄養管理を担当する「食育」の部分です。
ただし反面でスクールカウンセラーや栄養士といったそれ専用の仕事も進出してきており、それぞれの仕事をどう住み分けしていくかということが新しい養護教諭の問題となっています。