言語聴覚士とは、言語や聴覚において問題のある人物、もしくは障害を抱えている人物をケアする人のことです。
このような説明を受けると、リハビリを担当している人物のように思ってしまいますが、リハビリとは違った一面が多い仕事としても注目を集めています。
例えば、ささいな計算がなにかしらの障害でできないという場合、なぜそのような障害を抱えるようになったのか調査しなければなりません。
リハビリの場合、決められたスケジュールに沿って運動を行う、もしくは経過観察を行うという流れになっています。
ですが、言語聴覚士の場合はそれらをすべて自分で決めなければなりません。
また、どの程度であれば障害の克服、もしくは軽度の問題に移行したのかも自分で決めないといけないのです。
つまり、リハビリのように明確なゴールが存在しません。
リハビリであれば、歩けるようになれば終了、日常生活において支障なく指が動くのであれば終了・・・という判断が下せます。
ですが、言語聴覚士が受けもつことになる患者さんの中には、言語に関わる問題が再発するケースもあれば、より酷い症状になって病院に入院するケースもあるのです。
このように人によって若干違う問題に対応する必要があるため、細かい配慮ができる人物ほど言語聴覚士に向いているとされています。
言語聴覚士の具体的な仕事であり役割についてですが、言語聴覚士は過去になにかしらの病気、障害を負った人をケアするのが役割です。
具体的な難病では脳の病気があります。
脳の病気というと、それこそ脳に関して専門的に治療できる医療機関で治療を受けるのが正しい・・・、と考えてしまうものです。
ですが、人によっては日常生活において支障はないが、人とコミュニケーションを取る際に失語症など特殊な症状が発生する人もいるのです。
つまり、発声はできる、しかし上手に意思伝達できないという人も、言語聴覚士がケアする対象となります。
他にも失語症ではなく失算症に悩まされている人のために、計算などの手伝いをするという役割もあります。
このような人の中には文字が読めないという人もいるため、生活そのものを支える形で言語聴覚士があらゆるケアに応じるケースまで存在するのです。
言語聴覚士は精神のケアを行うことでも有名です。
精神の問題ではアスペルガー症候群(障害)、自閉症といった精神の問題も存在します。
これらの問題を抱えている人物は、社会の中で人と付き合うことをうとましい、もしくは苦手とする人物なので、コミュニケーションの大切さを教える必要もあります。
つまり、言語聴覚士の役割とは肉体・精神のケア、そして社会に関する教育を行うことです。